沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝

沢村忠に真空を飛ばせた男―昭和のプロモーター・野口修 評伝― - 細田昌志
この本は公立図書館の格闘技コーナーにあった。
発売されたときからとても気になっていたが、基本的に文庫と新書しか買わないようにしているので、気になりつつも1年以上保留中だった。
図書館で6時間かけて読む。
560ページあり、それも2段構成だから普通なら1120ページになるのか!!
昭和のプロモーター野口修氏の評伝であるが、その人間自体を深く知ろうとするならば、その人間の父親も祖父もの生きざまも知る必要がある。
そこも十分すぎるほど調べ上げているようだ。
生きざまのバックグランドを知るうえで、父親からの流れがどうしても必要なのだ。
政治・思想・意識・院外団・草相撲・沖仲仕・柔拳・・・・・キーワードの数々。
そして児玉誉士夫・ヤクザ。
ボクシング興行においての外国人選手招聘時に起こる金銭的側面も含めての様々なトラブルは今でもあるのだろう。
沢村忠はいつ出てくるのか!!
ようやく288ページから出てきた。
キックボクシングという新しいスポーツ興行を世に認知させ、TV放送を安定させ、高く興行が売れるためには、スーパースターが必要であった。
子供の頃、テレビで沢村忠が出ている中継を見た覚えがある。
子供だったから、いつの間にか消えたような認識で、その後はプロレスに傾倒した。
スーパースターは勝ち続けねばならない。沢村忠をスーパースターに仕立て上げるために仕組まれた八百長。八百長というのは語弊があるかもしれない。あらかじめ勝敗が決まった真剣勝負だろう。
対戦相手の技量も必要だ。
著者が年老いた野口氏に執拗に問うが、明確な答えがでなかった。
前座の数試合は真剣勝負で、セミ・メインは日本人選手が勝つようになってた。
地方の興行で控室の外国人選手に「負けろよ、お前が負けたら客が喜ぶんだから(日本人選手が勝つ方が盛り上がる)」と
土地を取り仕切るヤクザに言われたという件。
外国人選手の気持ちは、試合で負けても、ホントに強いのは誰なのかはお客が知っている。。
プロレスでいうなら、まるで藤原組長が関節技で攻めていても、最後はスモールパッケージホールドで負けるような感覚だ。
この本の沢村忠の部分を読んでいると、全て、プロレスや、格闘技にだぶらせて考えてしまう。
旗揚げ当初のリングス、PRIDE、ライジン・・・・
ある選手が、沢村忠に私と真剣勝負してもらえませんかと問う。
これって、田村潔が高田延彦に言った言葉。
もちろん、Uインターはプロレスなのでマッチメイクされていただろう。
沢村忠人気で興行が売れる。日数の間隔を開けず、試合が続く。沢村忠が勝たねばならない興行が続く。
ある時代に新日本プロレスのG1クライマックスで長州力が全勝優勝した時があった。でも、その時の現場監督・マッチメーカーは長州力自身であった。これも興行を盛り上げるための事だろう。
五木ひろしの売り出しのところでキーになる人物・山口洋子さん。
デイリースポーツのコラムをよく読んでいた。
デイリースポーツだから虎党の作家だろうくらいの認識だったが・・・
こんな濃厚な人生の人だったのかと・・・
(公立図書館にて読む)